玉林寺(秋田県大館市)概要: 大館市字大館にある玉林寺の創建は大永7年(1527)に当時比内地方を支配していた浅利則頼が鳳凰山の麓に開山したのが始まりとされています。寺号は開基者である浅利則頼の戒名「玉林寺殿明庵珠光大居士」に起因するもので、浅利家代々の菩提寺として居城であるその後独鈷城下に遷されています。天正10年(1582)、浅利勝頼が安東愛季に暗殺された事で浅利氏は安東家に従属するようになり、跡を継いだ浅利頼平が独立を図ったものの夢半ばで俘虜の死を迎え浅利家は滅亡しています。
玉林寺は庇護者を失い衰微したと思われますが、江戸時代に入り当地域が久保田藩領に組み込まれると慶長13年(1608)に大館城の城代とした赴任した小場義成は大館城の大改修と城下町の町割りを行い、それに伴い慶長17年(1612)に大館城下の現在地に移りました。境内は大館城から見ると商人町の外側の羽州街道沿いにあり、他の寺院と共に寺町を構成し、防衛ラインを築いています。江戸時代末期に発生した戊辰戦争の際は奥羽鎮無副総督が大館滞在中玉林寺を本陣としました。
現在の玉林寺本堂は昭和6年(1931)に建てられたもので、木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、正面千鳥破風、桁行7間、正面1間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、花頭」窓付。山門は本堂と同時期に造営されたもので、入母屋、銅板葺き、正面軒唐破風、三間一戸、八脚楼門形式、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、上層部花頭窓、高欄付き、屋根や楼蘭の組物もかなり見ごたえがあり木の良さが生かされている建物です。秋田33観音霊場の31番札所。山号:鳳凰山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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