7−墓地
秋田県内では江戸時代、「人物改め」など藩政策の為、本村には曹洞宗の寺院が設けられました。しかし、各集落には寺院はなく、集落境に共同墓地を設ける場合が多かったようです。現象学的には神社などに係わる空間や祝祭などの行事は「ハレ」、日常生活に係わる事を「ケ」、寺院が係わる葬儀や空間を「ケガレ」などと言われます。集落の空間構成は生と死を司る聖域と日常空間が存在し、それを理解する事が必要だと思います。現在ではあまり意識されていないようですが、墓地の配置でその集落の死生観の一端を伺え知る事が出来ます。集落から完全に隔離している場合や、集落境の場合、集落背後の場合、方角など様々ですが、そこには何らかな意図を感じ取る事が出来ます。墓地は不浄で忌み嫌われるものでは無く、生活の一部として係わり、祖霊信仰として、生きている人達に手厚くされているされています。又、秋田県内には集落独自の葬儀形態や、お盆や彼岸行事なども数多く残っています。
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