4−信仰の山・産土神
当時、「山」という存在は、自分達が住む俗世とは異なる異界だと捉えれていたようです。そこは水源があったり、動物や山菜などのタンパク源、柴などの動力源などの生活を支える恵みの源でした。 又、頂上からは集落が見下ろせ、遠くからも自分達が住んでいる所を確認出来るなど正に神が宿る神聖な場所と考えられてきました。秋、冬は「山の神」として晩春のキノコや木の実、早春の山菜などを与え、冬は雪を蓄え水源としました。春になると雪解け水と共に里へ降り、「田の神」となり田畑を実らせるといった一年を通した信仰のサイクルがありました。特に神奈備型や母谷型の山や頂上付近に巨石など奇岩がある場合は付近集落のみならず、周辺地域からも信仰の対象となりました。秋田県内では現在でも山頂や中腹に神社や祠が鎮座する例が非常に多く当時からの信仰形態が残されています。集落中央に鎮座している神社にしても、山頂の本宮に対して里宮や、田の神を合祀するなど山との繋がりが深いものが多いと言えます。
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