藁大蛇概要: 由利本荘市東由利宿字高屋にある藁大蛇を紹介します。民俗学上は人形道祖神ではなく「道切り」に属すると思いますが、道祖神自体も「道切り」と同義に捉えている方も多く、他地域の比較にもなるのでここで取り上げたいと思います。本荘由利地域には人形道祖神が見当たらず藁大蛇が数体見られ、はっきりとは言えないのですが秋田県内でも特殊な地域と考えられます。江戸時代には藩が異なることもあり、文化の交流もある程度制限されていて、双方が独自の文化を作り上げていたと思います。高屋集落では上下の集落境に藁大蛇が鎮座しています。土場沢集落側(写真左から1・2枚目)には長さ3m以上はあると思われる大蛇が木の根元から巻きつき進入方向を睨みつけ、須郷集落側(写真右から1・2枚目)には、やや小ぶりの大蛇が木の上部に巻きついてこちらを向いています。同じ旧東由利町の葎沢集落と比べると「道切り」で藁大蛇という同じ点と、木に絡み着き方や例祭の日程(高屋集落はお盆・葎沢集落は旧正月)が異なります。何故、このような差異が生まれたかは難しい点ですが高屋集落の藁大蛇の方が、道祖神に近い意味合いと言えそうです。
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