秋田県・神社山門

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秋田県・神社山門
〜 神仏混淆建築を求めて 〜
秋田・神社山門
[ 上写真は金山神社(秋田県指定史跡)の山門 ]
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神社山門概要
秋田県・神社山門概要: 秋田県は自然崇拝的なものが現在でも根ず良く残っている県の1つだと思います。その為、各集落付近の山頂には神社や祠などを設け崇拝してきました。民俗信仰や山岳信仰、神道などと習合した独特な信仰がうまれました。その為、神社建築と仏教建築の混ざった神仏混淆(神仏混合)様式の建築(社殿)が未だ存在しています。本来、鳥居があるはずの所に山門があったりするのはその理由の1つだと言えると思います。現在でも秋田県内に少なからず残っています。いったい秋田県にどんな神社山門が残っているのでしょうか?特に秋田県の神社山門を扱っている資料もなくあてもなく探し回っている状況なのでわかる範囲で掲載していきます。興味のある方は御覧になってください。

神社山門の特徴
 山門の建築様式(種類)

秋田県内にある神社山門は大きく、楼門、単層門、棟門の3つに分けられると思いますが全国的に有名な神社に見られるような華麗な装飾がある楼門や2重門はありません。ある意味元宮や総本宮などといった全国的に信仰に広がりがある神社に限られてくるのかも知れません。秋田県では単層門が主流でかなり簡素の造りが多いのですが、逆に言えば地域の特色が出ているとも言えます。神仏分離令や廃仏希釈などに耐え、又、その精神を受け継いで建て直したりした建物は郷土の文化を知る為の文化財だと言えるのではないでしょうか。(※ 多くの神社山門は文化財指定無し)

(1) 楼 門楼門とは2階部分が楼閣になっている門のことで、秋田県内の神社山門ではほとんど見る事は出来ません。写真の金山神社の山門も一概に楼門とは言い難いのですが参考までに取り上げてみました。他県の由緒ある神社には楼門形式の山門が見られます。
(2) 単層門秋田県内のほとんどの神社山門はこの様式に当てはまります。平屋建てで思ったより簡素な造りです。この山門形式は仁王像などを風雪から守るという意味合いが強いようです。
(3) 棟 門棟門形式は以外と少なく、年代は分かりませんが、新沢神社や朝熊神社など旧岩城亀田藩領内に集中しています。何らかな山門に対しスタイルの様なものがあったようです。
(1)楼門−金山神社
(1)楼門
(2)単層門−羽黒神社
(2)単層門
(3)棟門−葛岡金峰神社
(3)棟門

秋田県内にある神社山門は日吉八幡神社は例外ですが寺院の楼門建築などと比べかなり質素な造りになっています。寺院の場合は山門が建物の顔として彩色や彫刻、組物など施しているのに対し、神社の場合、あくまで拝殿や本殿に力が注がれています。神仏混合とはいえやはり宗教観が異なるからかも知れません。
山門−種別・名称
 山門−種別・名称

神社山門と言っても様々な種別があります。当時は神仏混淆の考え方が非常に多く一般領域と聖域とを分ける為、一種の結界門のような考え方がありました。基本的な形態が神社の為、当初から神門、随神門といって内部に神様を祀った山門もあったと思われますが、秋田県内では金剛力士像や仁王像を祀る仁王門が多いと思われます。現在随神門だったものも、神仏分離令以前は仁王門だったのかも知れません。

(1) 随神門 - 基本的に山門内部に左大神、矢大神、神馬などが祀られています。

(2) 仁王門 - 基本的に山門内部に仁王像や金剛力士像などが祀られています。

(3) 舞台門 - 山門以外の施設の機能を持っているもの(※当社の造語です。)を総称しています。高寺観音堂は拝殿、勝手神社では舞殿と呼ばれているようです。

(4) 単門 -  別に名称があるかも知れませんが、便宜上ここでは棟門を単門とします。

(1)随神門−日吉八幡神社
(1)随神門
(2)仁王門−大国主神社
(2)仁王門
(3)舞台門−高寺観音堂
(3)舞台門
(4)単門−新沢神社
(4)単門

実際、秋田県内には多くの神社山門が存在します。建築年代までは良く分からないものも多いのですが、江戸時代の紀行家 菅江真澄は小沼神社の仁王門や高寺観音堂の舞殿などについての記述があり当時からの形式が現在でも受け継がれているようです。神仏分離令が発動し、多くの文化財が失われる中何故多くの山門が残されたのかは疑問に思うのですが、発令した年代が以前藩主だった佐竹氏が県令だった為、時代が変わり人々の不安が募いる情勢もあり、かなり手緩い政策だったのかも知れません。又、日吉八幡神社以外は都市部になく法自体が行きと届かなかった可能性もあり、同じように異宗教とされた人形道祖神金勢様は都市部の多くが破棄されたのに対し、山間地域では現在でも存在する所もあります。

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