秋田県近代洋風建築 〜 洋館探訪 〜
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[ 上写真は康楽館 ]・[ 秋田近代洋風建築一覧表 ] |
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近代洋風建築(洋館)概要
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近代洋風建築(洋館)の再認識
建物の文化的価値というものは、あながち歴史の長さや大きさ派手さなどに片寄ってしまいがちです。その為、明治時代以降の近代洋風建築などは低く評価され、どんどん姿を消しているのが現状かと思います。しかし、思い出してみてください。町にある小さな洋風建築(洋館)が町並みに溶け込み、いつの間にか町の顔になっていたり、ランドマークになっていたりしているはずです。もし、その建物が町から消えてりすると、意外なほど喪失感や、物足りなさを感じると思います。ここでは、秋田県内にある近代建築の中でも洋風建築(看板建築含む)を取り上げもう一度取り上げ評価していきたいと思います。住宅や小さな店舗など文化財に指定されていない洋風建築(洋館)も出来るだけ掲載し、本来の文化的価値の評価を再認識してもらえれば幸いです。
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近代洋風建築(洋館)の見方−1
近代洋風建築(洋館)には幾つかの見方があります。あまり難しく考えなくてもいいのですが、ちょっとした知識があった方がより建物に対して親しみが持てるかも知れません。一般的に次のように大きく3つ種類に分けられます。※今回は近代土木遺産を含みます。又、近代和風(和洋折衷-考え方は微妙な為一部含んでいるかも知れません。)は含みません。
(1)-洋風建築−外観、内部の構造共に西洋式になっている建物
(2)-擬洋風建築−外観は西洋式ですが内部の構造は和式になっている建物
(3)-看板建築−外壁をモルタルや金属板(主に銅)で装飾し看板のようになっている建物
(4)-近代土木遺産−明治以降造られた土木の構造物(ダム、トンネル、橋、道路等)
(2)の擬洋風建築は明治時代、西洋の知識は入ってきているものの、その内部構造はよく解りませんでし。そこで大工さん達が和式の構造を工夫しながら外観だけ西洋風にした建物です。今回は秋田県に絞った為、掲載する件数が少ないことから洋風、擬洋風共に乗せています。又、外観調査と資料による調査で、内部構造は不確定の要素が多い為その分別作業は行いませんでした。
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近代洋風建築(洋館)の見方−2
近代洋風建築には幾つかの特徴があります。名称まで覚える必要はないと思いますが雰囲気だけでも解ればより理解が深まると思います。
(1)-下見板張り-主に外壁の横板張りのことを言います。各国によって多少異なります。
(2)-上げ下げ窓-洋風建築の定番の窓です。2枚以上の額縁窓が上下動で開閉します。
(3)-ファンライト-半円形の欄間の事で玄関ドアの上などが曲線になっていると不思議と洋風に見えます。
(4)-バージボード-軒先にある飾り付きの板のことです。なかなか気付き難いですがポイントの1つです。
(5)-柱飾り-主に玄関まわりしている場合が多いようです。柱の台座,頭,柱身など注意深く見てください。
(6)-セグメンタルペディメント-半円形の櫛形破風。写真はもしかしたら異なるかも知れません。
(7)-棟飾り-屋根の棟の先端の飾り。様々なデザインがあり、和洋折衷タイプには鬼瓦調のものもあります。
(8)-ドーマ-大屋根から明かり取り窓や屋根の通気窓など取る為、棟を付けたもの。
(9)-その他-アーチやキングホストトラスなどの構造や、スレートなどの材料が見所です。
近代建築と言っても様々な解釈があり一般的に近代(明治時代〜昭和の戦前)に建てられた建物で上記の特徴を捉えた洋風建築(擬洋風建築)や洋館と呼ばれる建物と、和風を基調とした近代和風建築に分けられます。又、近代建築には別の意味があり、「近代建築運動により生まれた建築様式」などと意味づけられ、モダニズムとも言われます。モダニズム建築は一般的にコンクリートや金属、硝子などの当時では新しい素材を使用し、装飾などは出来るだけ簡素化し機能を追及しつつ新しいデザインを構築するといった思想の元に造られた建物を言います。
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近代洋風建築(洋館)の見方−3
これは特に近代洋風建築(洋館)だからと言った事ではないので、雰囲気がわかれば良いと思います。煉瓦造りが全て洋風建築ではないし、木造だからと言って全てが和風建築といった訳ではないと言う認識程度でも良いかも知れません。特に秋田では煉瓦造りの蔵(和風)を見かける事も出来るし、洋風建築の多くが木造です。
(1)-煉瓦造-イメージとは異なり、秋田の煉瓦造の洋風建築は少ないです。
(2)-コンクリート造-コンクリート造の洋風建築も秋田には少ないです。写真は大正12年の秋田初のコンクリート造の建物と云われています。
(3)-木造-秋田の洋風建築の多くが木造です。洋式と和式が混在した犠洋風建築が多いようです。
(4)-石造-秋田の洋風建築で石造は様々な理由が考えられますが数例以外ほとんどありません。
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