町並み探訪概要: 文化というのは、なかなか難しいもので、重要伝統的建造物群保存地区など古い町並みが、どうしても注目されがちです。当然、それらの保存保全は必要なのですが、皆さんが住んでいる町並みにも歴史や文化が有り、なによりも愛着や哀愁といった感情があると思います。単純な近代的な建物が連なる町並みではなく、後世の子供たちにも繋がっていく町並みとはどういうものなのでしょうか?とりあえず現時点では自分達の住んでいる「町」について再認識してみることが「まちづくり」の第一歩かと思います。ここでは秋田県の様々な町並みや歴史的建築物を紹介していきます。城下町や宿場町、港町、川港町など様々な町の形態があり個性があります。見比べてみるのも良いかもしれません。町にはそれぞれ歴史や文化があり、それを含んだ風景があります。そこから町の特性が解りどの様に町並みが変化してきたのかも想像してください。そしてこれからの町並みや風景がどの様になれば良いかのかを検討する材料にもなるはずです。昔、武家町だった所は現在どうなっているのでしょう?商人町は?活気があった港町、舟運で栄えた川港、それらの町並みは?きっとその町にふさわしい町並みや風景にするには何が必要で何が不必要か皆さんが判断するしかないようです。
町並みの今昔: 古い町並みが美しく見えるのには様々な理由が考えられますが、その1つには統一性と連続性が揚げられます。古い町並みでは素材や、建物規模、意匠などが似ている場合が多く、町屋で言えば、敷地間口が規制されたり、身分によって建物の高さで制限され、武家屋敷では、門や塀、玄関の仕様などが身分によって決まっていました。素材も現在ほど流通事情が良いわけでは無いので町並みがある地域から大部分は近場でそろえる事になります。又、自然環境にも大きく作用され建物の向きや屋根の形、素材の選択など必然的な要素が多かったと言えます。現在の町並みでは、技術や流通の発展や意匠の選択の自由により、施主の意思が尊重される事がほとんどで、古い町並みの中に新しい素材やデザインが歯抜けのように建てられてしまっています。重要伝統的建造物群保存地区などは法の強制力がありますが一般の町並みは自己の意識に委ねられている面が大きいと言えます。
風景・景観の定義: このサイトでは特に風景と景観という言葉を同意義と捕らえています。一般的には風景は自然(山、川、海、谷など)が織り成すものとして、景観は人工物(建物、道路、橋など)が織り成すものとされているようでが、ここではその言葉の垣根を取り払い、家や橋などと背後の自然が一体となった心象的風景として考えています。景観の中に人の心や思い出が入る時、誰しも風景として思うのではないでしょうか?例えば、通学風景や通勤風景、買い物風景など。このサイトでは、秋田県の主な建物が数多く出てきます。それらの建物や町並みの景観を保全していくことは、歴史的価値を守ると同時にそこに住む人達の心や思い出を守っていくということだと捕らえてもらえれば幸いと思います。
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