藁大蛇概要: 由利本荘市東由利黒渕字葎沢にある藁大蛇を紹介します。民俗学上は人形道祖神ではなく「道切り」に属すると思いますが、道祖神自体も「道切り」と同義に捉えている方も多く、他地域の比較にもなるのでここで取り上げたいと思います。本荘由利地域には人形道祖神が見当たらず藁大蛇が数体見られ、はっきりとは言えないのですが秋田県内でも特殊な地域と考えられます。江戸時代には藩が異なることもあり、文化の交流もある程度制限されていて、双方が独自の文化を作り上げていたと思います。葎沢集落では黒渕集落との集落境に道路にゲート状の骨組みを組みそこに藁で出来た大蛇を巻きつけ、顔を黒渕集落側に向かせています。当然「道切り」としての集落への悪霊や疫病などの進入を防ぐ役割を持っていると思いますが、ここでは、それに加え火災防止の意味合いを持っているようです。藁大蛇は道祖神と龍神信仰などと混合したのかも知れません。又、藁大蛇は「シメブチ」や「シメナワブチ(〆縄打ち)」などと呼ばれ、旧正月行事の一環として毎年新しくするそうです。人形道祖神は、春、秋の2回(地域によっては1回)衣替えや祭りを行うのですがここでも葎沢集落のワラ大蛇では小正月行事として他の人形道祖神との違いが出てきます。
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