観音信仰概要: 観音信仰は、観音菩薩を祭ることに由来します。菩薩とは密教系仏教の1つであるラマ教の教祖ダライ・ラマの化身と言われ、人々の苦しみを救ってくれる神様のことで「妙法蓮華経」によって広く大衆に広まりました。観音菩薩は見る人によって姿を変え、良く聞く十一面観音や千手観音、馬頭観音などはその変化した姿でどれも観音様だと言えます。又、「妙法蓮華経」では観音菩薩は33の姿へ変化するとも書かれ、33という字がここから特別な数字と意識されたそうです。
西国三十三観音霊場概要: 西国三十三観音霊場は最古の観音霊場と云われています。養老二年(718)に病床の長谷寺の徳道上人の枕元に閻魔大王が立ち、「観音様を祭った霊場を三十三箇所つくり、それを巡礼して祈る事で人々が救われる。」と告げたそうです。この時は一般的に普及せず次第に薄れていきました。その約270年後にほとんど埋もれていた三十三観音を花山法皇が再興させ、寛治4年(1090)には行尊の巡礼が始まりました。その後三十三観音信仰が普及し、坂東三十三所や秩父観音霊場、四国霊場などが開設され全国に数百の霊場がつくられました。
秋田三十三観音霊場概要: このような観音信仰が秋田の地でも広がり秋田三十三観音札所が開設されたのは長久年間(1040年頃)とも云われています。花山法皇が西国三十三観音霊場を再興させてからわずか100年余りといことで古霊場の1つとされています。現在では関心が薄くなり参拝者が少なくなっているお寺もあるようですが、再度これらの寺院を知る事によって私たちが住んでいる秋田県の信仰の起源のようなものを感じ取ってもらえれば幸いかと思っています。
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