大円寺(鹿角市十和田大湯)概要: 大円寺は来満街道沿の宿駅である大湯にあり、案内板によると「この寺は曹洞宗普門山大円寺といって、お釈迦様を本尊として仰ぎ、大本山は福井県の永平寺と、横浜市の総持寺である。開創は大永2年(1522)5月15日 寺領17石。開山は山形県東村山郡黒瀧村 向川寺9世春林禅冬大和尚。開基 毛馬内城主 毛馬内勅負秀範公」とあります。
大円寺の創建は室町時代後期の大永2年(1522)に向川寺(山形県大石田町黒滝)9世紀春林禅冬大和尚が開山したのが始まりと伝えられています。天文年間末から永禄初頭に、南部家22代当主南部政康の5男毛馬内秀範が2千石で毛馬内に配され、居城である当麻館の城下に境内が遷され「当麻山大円寺」を号しました。大円寺は毛馬内の庇護により寺領17石が寄進され、毛馬内政次が慶長13年(1608)に柏崎館(毛馬内城)に遷ると大円寺は現在仁叟寺があった場所に移りました。寛永19年(1642)に毛馬内政次が死去すると嫡男が4歳と幼少だった事から、寛永20年(1643)に大湯から政次の弟である毛馬内三左衛門直次が柏崎館に入り、代わって毛馬内則氏(範氏)が大湯に配置換えとなり大円寺もこれに従い、初代毛馬内秀範の戒名「普門院殿」に因み山号を「普門山」に改めています(資料が混乱し、寛永19年に死去したのは政次ではなく政氏という説もあります)。
寛文5年(1665)に大湯南部氏(北氏)が入封すると大円寺を代々の菩提寺に定め篤く庇護しています。参道には秋田県指定天然記念物の大円寺門杉があり樹齢2千年、樹高42m、樹幹廻り9mを誇ります。山門は江戸時代後期の文政年間(1818〜1831年)に造営され昭和50年(1975)に修築されたもので、切妻、銅板葺き、一間一戸、四脚鐘楼門、上層部は間口3間、高欄付き、正面に「普門山」の山号額、組物が白色に塗られています。寺宝である魚盤(魚鼓)は、室町時代に制作されたもので、長さ140cm、鹿角地方最大とも言われる貴重なもので昭和52年(1977)に鹿角市指定文化財に指定されています。鹿角三十三観音霊場第25番札所 。山号:普門山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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