正乗寺(由利本荘市尾崎)

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概要・歴史・観光・見所
正乗寺(由利本荘市尾崎)概要: 正乗寺の創建は平安時代の貞観8年(866)に英山明賢により開かれたのが始まりとされます。当初から曹洞宗だったのかは判りませんが、東北地方に曹洞宗が伝播し年号が明確なものは建長3年(1251)に開山した玉泉寺(山形県鶴岡市)が始まりとされる為、正乗寺の創建年が正しければ異なる宗派だったと思われます。

その後衰退しましたが、伝承によると応永6年(1399)、資料的な価値が薄いとされる軍記物である「由利十二頭記」によると応仁元年(1467)に由利十二頭の1人子吉修理之進が当地に入封すると居城である子吉館近くである現在地に境内を移し、子吉氏歴代の菩提寺にしたそうです。子吉氏は戦国時代末期に仁賀保氏に従うようになり、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いの功で仁賀保氏が常陸国武田5千石で移封になると、子吉氏も当地を離れた為(久保田藩佐竹氏に従ったとも)、正乗寺は庇護者を失い衰微しました。

元和9年(1623)に六郷政乗が入封し本荘藩を立藩すると六郷家の庇護を受けるようになり、寛永2年(1625)に六郷家の菩提寺である永泉寺11世華嶽春栄和尚が中興開山しています。

現在の正乗寺本堂は寛政12年(1800)に建てられたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、花頭窓付、内部の天井に描かれた昇降龍図と泣き竜天井が貴重な事から由利本荘市指定文化財になっていて有名です。昇降龍図は嘉永4年(1851)に本荘藩お抱え絵師増田松洞が書いたもので秋田県で1番大きいそうです。正乗寺山門は大正10年(1921)に建立したもので、入母屋、桟瓦葺き、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚楼門、外壁は真壁造り板張り、上層部には高欄が廻り、中央には「金峰山」の山号額、下層部左右には仁王像安置、天井の天女や絵馬などの雰囲気から由利本荘市の幕末から明治の文化に影響されているような感じがしました。本荘領内三十三観音第18番札所。山号:金峰山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。

正乗寺:写真

正乗寺
[付近地図:由利本荘市尾崎]・ [由利本荘市社寺フィールドワーク]
正乗寺 正乗寺:由利本荘市藤崎 正乗寺 正乗寺:由利本荘市藤崎


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