大蔵寺(由利本荘市湯沢)概要: 大蔵寺は案内板によると「当寺は中世由利十二頭の一人石沢孫四郎公を開基とし大日坊を開山とする真言宗の寺院で本荘市柳生字高野田にあった。その後寛永2年本荘藩主六郷家の菩提寺永泉寺11世華岳春栄大和尚を勧請開山とする曹洞宗の寺院として現在地本荘市湯沢に移築されたものであります。その間、正徳、享保年間に増築されたが寛政3年その伽藍を全焼し再建された。昭和27年茅葺屋根が瓦葺に改築され開山堂(位牌堂)も増築整備されたが、不幸にして昭和48年3月30日再び伽藍を全部焼失するに至った。その後僅か2年数ヶ月にして全檀家協力により昭和50年11月1日現在の大伽藍の完成をみたものである。」とあります。
大蔵寺の創建は応永元年(1394)に石沢孫四郎によって創建されたと伝わる寺院です。ただし、石沢氏は応仁元年(1467)に信濃国(現在の長野県)から入封したとも云われている事から創建者ではないのかも知れませし、応永元年(1394)以前に既に入封していたのかも知れません。石沢氏は由利十二頭の一角として室町時代から戦国時代まで当地を支配し、天正18年(1590)の太閤検地では398石が安堵されています。慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いでは東軍に与した最上家に従い出羽合戦に出陣したようで、戦後は最上家の家臣となったようです(元和8年(1622)に最上家が改易となった為、石沢氏も武家からは没落したようです)。
大蔵寺は本荘領三十三観音霊場でもあり周辺の信仰を集めています。山号:多寶山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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