日吉神社(美郷町佐野)概要: 日吉神社は特に案内板等が無く、由来や歴史は分かりませんでしたが、佐野集落の鎮守と思われます。伝承によると戦国時代末期の慶長3年(1598)に山王信仰の本社である日吉大社(滋賀県大津市坂本)から分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て社号を改め明治8年(1875)に村社に列しています。
現在の日吉神社拝殿は明治23年(1890)に再建されたもので、木造平屋建て、入母屋、鉄板葺、平入、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り板張り、向拝木鼻には獅子、欄間には龍の彫刻が施されています。拝殿の背後に設けられた本殿は明治33年(1900)に当地出身の名工佐々木子之助が手掛けたもの、一間社入母屋造り、鉄板葺き、平入、正面1間向拝付、高さ約7.4m、幅約3.6m、奥行き約5m、向拝木鼻、欄間には龍、屋根の軒下4隅には力士像が鎮座して屋根を支えています。その他にも向拝柱や蝦虹梁、手挟、壁面、隔て板など随所に精緻な彫刻が施され、江戸時代末期から明治時代初期にかけての社殿建築の特徴が見られます。日吉神社本殿は明治時代に造営された神社本殿建築の遺構で意匠的にも優れている事から平成28年(2016)に美郷町指定文化財に指定されています。建築力士像は隣接する横手市と同様に若干太めですが作者の作風でしょうか、威圧して神社を守っているよりは、福を招き入れているような仕上がりになっています。祭神:大山咋命。
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