今木神社(横手市十文字町)概要: 今木神社は大宮川の水の信仰から宝龍権現を祭っていたとされます。一方、伝承によると守屋を名乗る身分の高い人物が都から当地に土着し、家宝である玉と龍を祭る為、天平2年(730)一宇を設けたのが始まりと伝えられています。詳細は勉強不足の為に判りませんが、今木神社を創建した守屋氏は保呂羽山波宇志別神社の神官だった物部系守屋氏一族のような印象を受けました。守屋氏は天平宝字元年(757)に勝軍山神社を創建したとの伝承がある事からも、勢力を広げる為、積極的に布教活動をしていたのかも知れません。
平安時代後期の天喜年間(1053〜1058年)に前九年合戦が勃発すると、乱の平定の為に当地まで進軍した源義家に氏子達が兵糧を献上した事に感謝した義家が今木神社を参拝したと伝えられています(一般的に源義家が主体的に活躍し、横手地方が戦場になったのは後三年合戦ですが、当地で伝わる伝承の年代では主に義家の父親である源頼義が活躍し岩手県が戦場になった前九年合戦の時期に重なります)。明治時代の神仏分離令を経て明治6年(1873)に村社に列しています。
今木神社は集落から少し離れた田んぼの中央にあり、社殿の向きも集落へ特に向いていない事から、この場所に何か由来があるのかも知れません。境内には古社らしく大木が生い茂り雰囲気があります。今木神社社殿は木造平屋建て、入母屋、鉄板葺、平入、桁行3間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り板張り、さほど大きくはありませんが、彫刻がかなり凝っていて、横手市では多い力士像も4体屋根を支えています。祭神:日本武尊、建御雷神、経津主神、天照大神、月読神。
|