熊野神社(井川町)概要: 秋田県井川町今戸にある熊野神社は中世からある古社です。隣接する実相院は承和6年(839)開基した密教系の寺院で、熊野神社とは神仏混交の形態が明治以降にも続く非常に珍しいケースで、現在では神社と寺院が隣り合っているのは多少違和感があります。形式的には明治時代初頭に発令された神仏分離令により実相院とは分離し正式な神社として明治9年(1876)に村社に列し、大正3年(1914)に神饌幣帛料供進社に指定されています。又、江戸時代には当時の紀行家で民俗学の祖とも言われる菅江真澄も熊野神社を訪れ、真澄筆の「ひなの遊び」で「熊野山密厳寺の古碑」として当時の様子が判るような挿絵が描かれています。現在でも熊野神社境内には南北朝時代の板碑など多数あり貴重な事から井川町指定文化財に指定されています。熊野神社社殿は木造平屋建て、入母屋、鉄板葺、平入、桁行3間、正面1間唐破風向拝付、外壁は真壁造り板張り、あまり大きくありませんが、本殿の4隅には力士像を設えるなどなかなか凝った作りになっています。 一日市神社と同様に5月5日に願人踊りの奉納がされます。祭神:熊野加夫呂岐櫛御気野大神、大名持神、少彦名神。
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