円満寺(大仙市土川)概要: 円満寺の創建は平安時代初期の大同2年(807)に坂上田村麻呂が開いたとされ、旧西仙北町最古の歴史を持ちます。中世には角館町一帯を支配していた戸沢氏の庇護を受け寺領500石を領していました。対岸の白山神社(十一面観音堂)は円満寺の鎮守で神仏混交の形態を残しています(例祭に十一面観音祭典)。江戸時代に入ると戸沢氏は転封となった為、寺領は無くなり佐竹氏の庇護は特に無かったようです。一方、戸沢氏の移封先である新庄藩の本城である新庄城(山形県新庄市)の城下には同じ寺号の円満寺が創建され祈願所として篤く庇護されています。
江戸時代の紀行家菅江真澄も円満寺を訪れていて案内板には「その文に円満寺という真言派の寺あり、いにしえは天台宗なりしよし。」とあります。明治時代初頭に発令された神仏分離令により十一面観音堂は白山神社として形式上分離した事で衰微し荒廃しましたが昭和15年(1940)に曹洞宗の寺院として再興しています。
寺宝に鎌倉時代に制作された「二ノ舞面」と呼ばれる尉面(縦32.8cm、幅24.8cm)と嫗面(縦32.8cm、幅25.8cm)の一対があり貴重な事から昭和27年(1952)に秋田県指定文化財になっています。又、本尊である阿弥陀如来像は鎌倉時代に制作されたもので、像高90.9cm、金箔仕上げ、貴重な事から昭和53年(1978)に大仙市(旧西仙北町)指定有形文化財に指定されています。山号:小杉山。宗派:曹洞宗。本尊:阿弥陀如来。
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