龍門寺(由利本荘市岩城赤平)概要: 龍門寺は岩城亀田藩主岩城家の菩提寺で、室町時代初期の明徳3年(1392)に現在の福島県いわき市に創建されました。岩城氏は元々は福島県海岸部周辺を治める12万石の大名でしたが、戦国時代、佐竹氏の与力大名になり義重の3男貞隆が家督を継ました。その為、本家である佐竹氏と共に関ヶ原の戦いでは中立を保ち、その咎から一時は改易となりました。その後、大阪の陣の功などで川中島に一万石で大名に復帰、元和6年(1620)に岩城貞隆が死去すると、岩城吉隆が跡を継ぎ元和9年(1623)に岩城亀田藩2万石に加増されました。寛永5年(1628)、吉隆は多宝院(能代市檜山)から鶴翁呑亀和尚を招いて亀田城下に龍門寺を創建、以後、亀田藩主岩城家の菩提寺として篤く庇護されます。龍門寺は亀田藩から寺領60石が安堵され、領内曹洞宗寺院の僧録所として寺運が隆盛し末寺10ヵ寺を擁しました。
龍門寺の山門の前にある「戒檀石」は「不許葷酒入山門」と「禁芸術売買之輩」の2本あり「禁芸術売買之輩」の方は全国的にも珍しいそうです。山門をくぐると参道の両側は高い杉並木があり、辺りの雰囲気とは急にかわり厳格な感じになります。本堂を通り過ぎさらに登っていくと岩城家の御霊屋があり、ここは参道よりさらに厳格な雰囲気になります。龍門寺(旧岩城町の史跡指定)は何度も大きな火災にあい、現在の本堂は昭和35年(1960)に建てられたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、正面1間唐破風向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。山門は入母屋、桟瓦葺き、三間一戸、四脚門、潜り戸付き、江戸時代に建てられた寺院山門建築の遺構として貴重な事から由利本荘市指定文化財に指定されています。亀田領三十三観音霊場十六番札所として信仰を集めていました。山号:禅勝山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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