4 −石の鹿島様タイプ
石の鹿島様タイプは南部山間地域の中でも湯沢市の三梨町と旧皆瀬村に見られる形式です。当然個人的な調査な為、もっと広がりが大きい可能性はあります。1m程度の石碑の頭に藁の兜のようなものを被り、胴体にも何か着せています。又、小さいながらも脇差をして、なかなか力強い存在です。この集落では鹿島様と呼び、集落境にあることからも人形道祖神であることは間違いないようですが、周辺に見られる鹿島様タイプとは異なり、集落境両側に鎮座し男神と女神が存在し、一部では男神と女神が一緒に鎮座する双体道祖神のような形をとっています。又、「道切り」と呼ばれる注連縄を集落境に張り込み、その下で小さな人形道祖神が睨みを効かせるといった形をとっています。この集落では人形道祖神を単なる道切りだけでなく、子孫繁栄、安産などの性神としても捉えていて、石碑が男根や女陰の形状をしていたり、藁でそれらを模ったりしているものもあります。
このタイプの道祖神は全国的に見てもほとんど見当たらず、長野市芦ノ尻に見られものが有名です。石碑を藁で包み顔型にしているのが特徴で「どんと祭」など行われることからも塞ノ神の性格が強いと言えます。それに対し秋田県で見られるタイプは小型ですが人型を意識し塞ノ神と同時に上記でも述べたように性神として金勢様が混合されています。
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