6 −人形様タイプ
人形様タイプは高さは1.2〜1.5m程の大きさで人間よりも一回り小さいのが特徴で主に北部沿岸、山間地域に広がっています。1つの本村の中で各集落ごとに配置されていますが、微妙に形や表情が異なりかなり楽しめます。又、その設置場所も集落境にある場合や神社の境内にある場合など異なり、男神、女神が並んでいる場合や、各一体づつ別れて配置される所もあるなどバラエティーに富んでいます。便宜上4つのタイプに分けましたが、人によっては意見が分かれるかも知れません。
1−人形様タイプA |
−全ての入口に1体男神鎮座 |
−北部沿岸地域の鶴形 |
2−人形様タイプB |
−集落境に男(赤)女(白)2体が鎮座 |
−北部山間、大館市山田 |
3−人形様タイプC |
−集落境に男(赤)女(白)1体づつ鎮座 |
−北部山間、大館市粕田 |
4−人形様タイプD |
−男女神共に朱色の木製 |
−北部山間、大館市雪沢 |
人形様タイプAは能代市の鶴形に見られ、集落に入れる5つ道路全ての境に立っています。高さは1.5m程度で胴体が藁、顔が木の根で構成され、厳つい格好をしているのが特徴で、槍や剣、薙刀などを持ち攻撃的な印象を受けます。人形様タイプBは大館市の山田集落に見られ、集落内部の小字単位の境に男女両神が並んで小祠の中に鎮座しています。男神は顔を朱色に塗り、男根を強調させて大根が描かれたふんどしをし、女神は顔を白く塗り、胸とお腹が強調されカブを描いたふんどしをしています。ジンジョ(地蔵)様と呼ばれ、秋にはジンジョ祭りが行われます。人形様タイプCは大館市の粕田集落に見られ、多少差異は見られますが、一般的に男神は顔を朱色にし川下に鎮座し、女神は顔を白色に塗り川上に鎮座しています。両神とも手の平が大きく両手を上げ、集落内部に侵入してくる、悪霊や疫病を守る姿をしています。人形様タイプDは大館市の雪沢集落に見られ、男女、両神共朱色に塗られています。高さは1.2mほどの小さいもので、集落境に鎮座しています。男女神、一体づつの場合と、双体道祖神状になっている場合、神社内部に祀られている場合など集落ごとに異なります。その他にも大館市の白沢や能代市の小掛など分類しづらいものも中にあり、もう少し調査が必要と思われます。
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